Whole Lining

ギターの内側を見てみると、四隅に切り込みの入った部材があります。

サイド板とトップ板&バック板の「のりしろ」になる役割があって、「Kerfing(カーフィング)」や「Lining(ライニング)」と呼ばれています。

 

f:id:RyosukeKobayashiGuitars:20180130174720j:image

※写真↑はYanase Cedar Project 2017より

 

僕は主にポートオーフォードシダーを使います。

f:id:RyosukeKobayashiGuitars:20180130174714j:image

 

ギターによっては、この「のりしろ」をサイド板全体に貼っています。 Whole Lining(ホールライニング)と呼ばれます。

f:id:RyosukeKobayashiGuitars:20180130172604j:image

 

別のギターの写真ですが、フレームにバック板を接着したあとの様子です。 

f:id:RyosukeKobayashiGuitars:20180130172651j:image

 

このWhole Liningの狙いは、「ギター内部の表面積を小さくする」ことです。

イメージは「家具の置いていない部屋」です。引っ越し前に家具や荷物を全て出した空の部屋では音が響いて聞こえますよね?もちろん音を吸収しやすい布地のものがなくなったり、重たいものが置かれていた床が自由に振動できるようになることもあるのですが、もう1つの大きな理由が、部屋の表面積が小さくなってより音が反射しやすくなるということです。

これをギター内部に置き換えたら?という発想でWhole Liningを試しています。

もちろんWhole Liningにすることで、サイド板がより強固になったりギターの重さや重心も変わります。また、ギター内部の容積は少し小さくなります。最終的に出てくる音はそれら全体の変化によるものとして捉える必要があります。

 

ライニングの材料費は通常の倍以上かかりますが、思い立ったことや疑問に思うことなどアイデアをすぐに実践できることは、小回りがきく個人製作家の大きなメリットでもあります。